●●歳の・・・という特定の世代をターゲットにした本はよく見かけます。今まで、この類の本にはあまり興味がなかったのですが、久しぶりに新書を読みたくなったという理由だけで購入してみました。
著者の谷岡一郎さんは、大学の学長や理事長を務めつつ、ギャンブルから刑法まで様々な著作を世に送り出している方です。本の目次は以下のとおり。
1 クリエイティブな時間はそれほど多くない―face to faceの情報量と質
2 集中する時間の確保
3 時間を大切にする―無駄な時間の「仕分け」について
4 「本を読む」ノウハウ
5 情報を捨てるためのファイル整理法―時間軸クリア・ファイルの活用
6 知を蓄積する環境―常に持ち歩く2冊のノート
7 セレンディピティ能力
8 自己の方法論を確立する―戦略と戦術の使い分け
終章 最後に笑う者の勝ち
タイトルに「知的生産術」とありますが、読み終えた印象は「情報社会をどう生きていくか」でした。例えば、著者は「ブログやツイッターは有益な情報が少ないので見ない」であったり、携帯電話も中身の薄い付き合いを広げるツールだから持たないというポリシーを持っています。そうすることにより、無駄な時間を極力廃することができ、自身にとって有益な情報(知識)を得たり、無駄な情報と有益な情報を嗅ぎ分ける嗅覚を身に付ける術を得ることができる、、のようなことが書かれています。
著者の本は初めて読みましたが、あくまでこの方のやり方という前提で読まないと、結構腹が立つ本かもしれません。個人的には、最初はこの本から、何かノウハウを得られれば・・・と思って読み始めたものの、途中からそこに気付き、無理に受け入れることもせず、ときには書かれていることに疑問符を持ちながら読みました。
この本はそういう本だと思います。考える本です。ノウハウを得たり、書かれていることを鵜呑みにして実行するのはまず無理でしょう。別に、著者を批判している訳ではなく、著者もそれが狙いというか、あえて自己満足的な内容にすることで、社会に警笛を鳴らしているように感じました。
最後の方に書かれていた「やめようか、やろうか、迷ったときは必ずやることにしている」ほか、所々でとても参考になる金言のようなものもいくつかあります。ただ、この手の本は、その年齢になる前に読んだ本がいいのかも。
社員Y
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