昨年11月に発売され、年始にはアマゾンでも売れ筋として上位にランクしていた本です。論点思考や仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法のようなロジカルシンキング系の思考術本ですが、個人的に響いたのは別なところでした。
目次
はじめに 優れた知的生産に共通すること
序章 この本の考え方―脱「犬の道」
第1章 イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
第2章 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
第3章 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする
第4章 アウトプットドリブン―実際の分析を進める
第5章 メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう
知的生産のシンプルな本質とのサブタイトルにもあるとおり、限られた時間の中で、どれだけのインプットをし、どれだけのアウトプット(成果=バリューのある仕事)を生み出せるかが大きなテーマになっています。思考的な話は、先の「仮説思考」「論点思考」と共通するところがありますし、ストーリーを組み立てていくところはスティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則と共通する部分もあります。
そんな中、個人的に最も参考になったのは序章・第1章の以下の部分です。
考えると悩む、この2つの違いは何だろう。
悩む=答えが出ないという前提の下に「考えるフリ」をすること。
考える=答えが出るという前提の下に、建設的に考えを組み立てること。
悩むと考えるの違いを意識することは、知的生産に関わる人にとってはとても重要だ。ビジネス・研究ですべきは「考える」ことであり、あくまで「答えが出る」という前提に立っていなければならない。
何をやるにしても、いきなり手を動かすことから入るのではなく、考えることが大事と思っていたのですが、結論を出すことにはこだわっていませんでした。なるほど、この部分は肝に銘じる必要がありそうです。
本書は思考法もさることながら、犬の道に踏み込むべからず(犬の道とは、いくら努力しても解決しないことに時間を浪費すること)であったり、時間を掛けることが必ずしも生産性の高い仕事につながるとは限らないことを、結構厳しく書いています。この辺はレバレッジという言葉を連想させるような考え方と似ています。
著者自身も最初は生産性の高い仕事を生み出すには時間を掛ければいいと考えていたようですが、そうでないことに気付いてからは、インプットに対するアウトプットを常に意識するようにしているそうです。
個人的に最近は以前よりも仕事にかかる所要時間が増していて、それだけで何となく仕事に対する自己満足が多少なりともあるような気がします。当たり前のことですが時間よりも中身を重視することを忘れてはいけないな、、とあらためて思いました。
2章以降で、思考術について具体的に書かれているのですが、個人的にはその前の段階での気付きが多かったです。それだけでもこの本から得るものがあったと思います。
社員Y
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