「ソーシャルメディアをキャンペーンで活用するには?」の答えがここにある。と帯に記載されているとおり、FacebookやTwitterを始めとするSNSを広告媒体という観点から「ソーシャルメディア」と定義し、テレビなどのプッシュ型広告に変わる、これからの広告について記載された本です。
概要をざっとまとめると以下になります。
●ソーシャルメディアは海外に比べると日本の認知度や利用率はまだ低い。
●TwitterやFacebookを過大評価しすぎない。
●とはいえ、ソーシャルメディアには「関与する生活者」を作り、その人たちのフラットな横の関係(共感)を作り、行動を喚起するプラットフォームとしての魅力がある。
Twitter、Facebookを過信しすぎてはいけないという否定から入り、それでも著者はソーシャルメディアに未来を感じていると語ります。民主党の鳩山氏のTwitter、官民連携によるプロジェクト「助けあいジャパン」など、実際に著者が携わったことにより、得た反響が裏づけとして記載されているので説得力があります。
さらに消費者の行動パターンがAIDMA、AISASだったものが、今後はSIPS(Sympathize共感する、Identify確認する、Participate参加する、Share&Spread共有&拡散する)に変化していくと記載されています(但し、全てがSIPSで定義されるのではなく、ネット環境を使わない人はこれまで同様AIDMAやAISASになるそうです)。
インターネットの特に個人における情報発信については、匿名であることが当たり前でした。それが実際の社会における様々なサービスをインターネット上で利用できるようになったことで、次第にネットと現実の社会の境界線がなくなり、ネット上でも自分という存在が現実の社会と同じものであるように変化してきました。
そうなると、人と人のコミュニケーションも当然、現実の社会と同様に繊細なものになっていくことは必然と考えられます。本書は著者が元、電通の方だけあってソーシャルメディアを使って、どのように消費者にリーチしていけばいいのかをメインに書かれてはいますが、一般ユーザーがソーシャルメディアとどうように向き合っていけばいいかの参考にもなる本です。
広告の営業マンとしては当たり前のことなのですが、以下を肝に銘じて、もっとどっぷりとソーシャルメディアを使いこなさないとと思いました。
使いこなせもしないのに「メディアはメディア。売り物としての特性を理解していれば十分」と嘯いている人がたまにいるが、マスメディアのような一方通行メディアならまだしも、生活者同士のやりとりが発生するソーシャルメディアに関してはそれはありえない。やりとりを体験し、生活者がこのプラットフォーム上でどう動くのかを肌感覚で理解し、そのうえでコミュニケーションを設計していかないと、生活者実感からズレた企画になっていく。
※最後の文章は本文より引用させていただきました。
社員Y
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