「天は人に上に人を造らず、人の下に人を造らず」
あまりにも有名な一節から始まる福澤諭吉の「学問のすすめ」の現代語訳版を読みました。
●この本との出会いは?
成田空港の書店にて。新書コーナーの目立つところにあった。
●なぜ読んだか?
立読みしてみたら最強のビジネス書?とも言うべき内容で意外な発見だったため。
目次
初編 学問には目的がある
第2編 人間の権理とは何か
第3編 愛国心とは何か
第4編 国民の気風が国を作る
第5編 国をリードする人材とは
第6編 文明社会と法の精神
第7編 国民の二つの役目
第8編 男女間の不合理、親子間の不条理
第9編 よりレベルの高い学問
第10編 学問にかかる期待
第11編 美しいタテマエに潜む害悪
第12編 品格を高める
第13編 怨望は最大の悪徳
第14編 人生設計の技術
第15編 判断力の鍛え方
第16編 正しい実行力をつける
第17編 人望と人付き合い
原書を読んだことがないので比較できないのですが、違和感なく読み易い訳となっています。何よりも明治時代に既にこのようなビジネス感覚を持ち合わせていた人がいたというのが、驚きでした。
「人は学ばなければ智はない。智のないものは愚かな人である。」
「実用性のない学問は後回しにし、一生懸命にやるべきは普通の生活に役に立つ実学である。」
上記は、愚かな人になりたくなければ学びなさいと説きつつも、学ぶのなら何でもいい訳ではなく、きちんと自分がすぐに使える(活かせる)学びをしなさいと説いています。また、人間の見識や品格を高めるためには、
「物事のようすを比較して、上を目指し、決して自己満足しないようにすること。」
と説いています。さらに上を目指すなら、今の自分の棚卸しをおこないなさいとも。この本は初編によると、福澤諭吉が故郷の学校のために「なぜ学問をすべきなのか」を示すために書かれたものとありました。元々は学生のために書かれたもののようですが、現代の我々の生活にとっても参考になること、気付きが沢山詰まっています。
「論語」や「菜根譚」なども心に響く本ですが、自分と同じ日本人が書いたという点で素直に感動しました。常に手元に置き、読み返したくなる本です。
社員Y
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