2年ぐらいにベストセラーとなった「フリー」や「シェア」といった書籍を監修。その他、自ら媒体を多数の媒体を生み出している小林弘人氏による著作です。前回紹介した「なぜデザインが必要なのか?」に続き、岡田さんからお借りした本です。
目次
はじめに
1章 もはや企業のメディア化は避けて通れない
2章 いかにメディア化させるのか? その考え方とテクニック
3章 自社メディアをソーシャルメディアに適合させよ!
4章 メディア化戦略をより高次なレベルに──未知を売り込み,顧客と協働する
サブタイトルにもなっている「フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識」とあるように、広告ではなく、自社をメディア化することで利益を得るためのヒントが書かれている本です。
内容は以前読んだ「キュレーションの時代」や「明日のコミュニケーション」に近いです。知見ではなく、著者自らの経験に基ずく結果論が書かれているので、説得力が違います。概要をまとめると以下になると思います。
●マス広告を使った力技的なPRでは届けたい人に届かない。
●自社をメディア化する、つまり自社発信の情報を増やし、情報を届けたい人たちとコミュニケーションを推進することが大事。
上記については先に上げた2冊にも共通のことが書かれていますが、個人的に考えさせられたのはP62ページあたりにある「デパートの衰退」の周辺にある「コンテンツは作れば誰かが見てくれるというのは大きな間違い」というようなことが書かれていた部分です。「コンテンツイズキング」という言葉がありますが、コンテンツは作って終わりではなく、それを必要な人に見てもらうための工夫をしなければ意味がないということです。
但し、それはリスティングやSEOといったことではなく、ソーシャルメディアなどを活用して情報をビオトープのような狭域な空間まで流通させよといったことが書かれています。よく、この手の本を見て「で、どうすればできるの?」と言う人がいますが、それを考えるための本だと思います。
この人はこういう道を通ってきて数々の成功を生み出した。では、自分だったらここにこんな工夫を入れて新しい道を作ってみよう、でなければ面白くありません。言葉を選ばずに言えば、この本は常に進化し続けるこの世界の中では、情報が古くなるという意味で賞味期限も短いでしょう。しかしながら、メディアに関わる者としては必読書ですし、今後もこのような本を読み続けていく必要があると強く感じた一冊でした。
社員Y
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