今回は読み物としても面白く、かつビジネスにも生かせそうなヒントが詰まった市役所の職員、高野誠鮮さんの「ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?」です。
目次
第1章 「1.5次産業」で農業革命!
第2章 「限界集落」に若者を呼ぶ
第3章 「神子原米」のブランド化戦略
第4章 UFOで町おこし
第5章 「腐らない米」。自然栽培でTPPに勝つ!
通常は読まない類の本なのですが、とあるブログで取り上げられているのを見て興味を持ち、手にした本です。まず、読み物として普通に面白いので、夢中になってあっという間に読んでしまいました。とにかく、高野さんの行動力が凄いです。
可能性の無視は最大の悪策だ!
というご本人の弁のとおり、可能性が0%ではないならやってみないと分からないし、やらないことが信じられないという姿勢で何事にも取組みます。石川県の羽咋市という過疎化されたエリアを蘇らせるまでの話なのですが、あの手この手で本当に色々なことを考えて、すぐに行動に移します。例えば・・・
●神子原米をブランド化するために天皇陛下やローマ法王に売り込む。
●米のパッケージの文字をエルメスの書家に書いてもらう。
●NASAから本物のロケットを購入して宇宙博物館を作る。
●アメリカの人工衛星で米の品質検査を行う。また、その検査方法を販売する。
●総理大臣からメッセージをもらい反対派をも黙らせる。
などなど。一見、上記には膨大な費用が掛かりそうですが、ロケット購入以外は驚くような予算をかけていません。予算なんかなくても頭を使って知恵と行動力で勝負する。利用できるものは、ちゃんとWin-Winを前提に賢く利用する。おそらくこの本で紹介されていない失敗談も多数あるような気がしますし、逆境に立たされたことも普通の人の倍以上、経験していそうです。しかしながらこの本を読む限り、高野さんは常に前を向いていて、目の前の壁をひとつひとつ乗り越えて行きます。
ブランディングや認知度向上、そして集客に関する施策は限られた予算ということもあるのでしょうが、ノウハウを残すために代理店などには依頼せずに自らやってしまいます。全てのことが他人事ではなく、自分のこととして腹に落ちているから高野さんにとってはそれが普通のことなのでしょう。
最初はなかなか協力してくれなかった地元の人たちを次第に同志に変えていく過程も、読んでいて非常に面白かったですし参考になります。この本に記載されている施策は勿論のこと、行動力の早さや人を巻き込む情熱は、地域活性に携わる者なら一読すべきものだと思います。読んでいてとにかく爽快です。自分も頑張ろう!と思える本です。
社員Y
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