既に10万部を突破したという佐藤優氏の最新刊。この本の1週間前に発売された人間の叡智も売れているそうです。
読書法に関する書籍は、過去にさかのぼるとどのくらい発行されているのでしょうか。単純にアマゾンで「読書術」などで検索しただけでも、525件がヒットしてきます。本離れ、活字離れが進むと言われる昨今、これだけ読書術関連の書籍が発行されているということは、それが活字離れを防止する手段なのか、それとも一部の活字中毒者を満足させるためのものなのかよくわかりませんが…。
私自身も過去に速読術、フォトリーディングなどの本を数冊購入したことがありますが、そのときは以下のような欲求が働き、購入したのだと思います。
●時短で本が読めて、頭にも入る技術を身につけたい。
●1日に数十冊、読んでみたい。
●本のページを高速でめくるのがカッコよさそう。
しかしながら、速読に関しては修行が足りないのか、リファレンス本を読んだだけで身に付きませんでした。今回の「読書の技法」に関しては、佐藤優氏の読書系の本を以前読んだことがありましたので、速読術というよりは、どんな本を読んでいるのか(熟読しているのか)、またそれをどのように知識化しているのかという部分を期待して購入しました。
実際、読んでみると速読術に関しては、過去に見たことのある「視点の動かし方」のような技術的なことは一切書かれておらず、読んだことのある内容や知識として知っている内容は飛ばし読みし、自分が得たいと思う箇所を意識して全て読む必要はないといったことが書かれているのみです。これは「読書家」と言われ、1ヶ月に数百冊読んでいるような方々には共通する読み方です。
そういった「読み方」の部分よりも、読んだものを知識として浸透させるための方法(本に書き込みをしたりノートに写したりする方法)や、何を読めばいいのかといった部分にまで踏み込んで書かれているのがとても参考になりました。例えばビジネスパーソンが基礎知識を強化する場合には、高校の教科書や学習参考書で勉強するのがいいという点。英語なども簡単な日常会話なら中学3年までの基礎をしっかりというのをよく目にします。社会や経済といったものについても、そういった基礎が丁寧に解説されているものがいいということです。
表紙の佐藤優氏の挑発的な表情(失礼!)とは真逆に、書かれている文章は上から目線だったり、押し付けがましいことは一切なく、逆に読者を常に気遣うような表現が随所に見られることは尊敬に値します。例えば以下の部分。
ビジネスパーソンの場合、満員電車の吊革につかまりながら、これらの作業(※本に線を引いたり付箋を貼る作業)をすると周囲に迷惑をかけるのでやめる。(中略)特にがっついているビジネスパーソンは周囲の様子が見えなくなることが多い。その意味で、満員の通勤列車は、マナーを鍛えるためのよき道場と考えることだ。
ちょうど、ここを読んでいるときに、電車で線を引いていたところだったのでギクリとしました。さて、本の巻末には文中に紹介される書籍の一覧があります。個人的に気になったものを以下に紹介いたします。
社員Y
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