9月の「Sports Graphic Number」でアスリートが読んでいる本が紹介されていました。サッカーの長谷部選手、陸上の為末選手ほか、第一線で活躍し続けているアスリートの本棚には非常に興味深いものがありました。
今回は複数のアスリートが愛読書としてあげていた松下幸之助氏の「道をひらく」です。ビジネス本という以前に、原理原則本だと思います。ビジネス以外の、生き方の部分においても必ず参考になる言葉が網羅されています。
この本の最大のいいところは、いつ手にしても必ず、そこに迷っている自分がいたとしたら「そうだよな」と思うことができ、原点に戻してくれるところです。是非、読んでみてほしいのですが、以下に個人的に最も好きな一節を紹介します。
『自分の仕事』
どんな仕事でも、それが世の中に必要なればこそ成り立つので、世の中の人びとが求めているのでなければ、その仕事は成り立つものではない。人びとが街で手軽に靴を磨きたいと思えばこそ、靴磨きの商売も成り立つので、さもなければ靴磨きの仕事は生まれもしないのであろう。
だから、自分の仕事は、自分がやっている仕事だと思うのはとんでもないことで、ほんとうは世の中にやらせてもらっている世の中の仕事なのである。ここに仕事の意義がある。
自分の仕事をああもしたい、こうもしたいと思うのは、その人に熱意があればこそで、まことに結構なことだが、自分の仕事は世の中の仕事であるということを忘れたら、それはとらわれた野心となり小さな自己満足となる。
仕事が伸びるか伸びないかは、世の中がきめてくれる。世の中の求めのままに、自然に自分の仕事を伸ばしてゆけばよい。
大切なことは、世の中にやらせてもらっているこの仕事を、誠実に謙虚に、そして熱心にやることである。おたがいに、自分の仕事の意義を忘れたくないものである。
社員Y
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