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9月の「Sports Graphic Number」でアスリートが読んでいる本が紹介されていました。サッカーの長谷部選手、陸上の為末選手ほか、第一線で活躍し続けているアスリートの本棚には非常に興味深いものがありました。

今回は複数のアスリートが愛読書としてあげていた松下幸之助氏の「道をひらく」です。ビジネス本という以前に、原理原則本だと思います。ビジネス以外の、生き方の部分においても必ず参考になる言葉が網羅されています。

この本の最大のいいところは、いつ手にしても必ず、そこに迷っている自分がいたとしたら「そうだよな」と思うことができ、原点に戻してくれるところです。是非、読んでみてほしいのですが、以下に個人的に最も好きな一節を紹介します。

『自分の仕事』

どんな仕事でも、それが世の中に必要なればこそ成り立つので、世の中の人びとが求めているのでなければ、その仕事は成り立つものではない。人びとが街で手軽に靴を磨きたいと思えばこそ、靴磨きの商売も成り立つので、さもなければ靴磨きの仕事は生まれもしないのであろう。

だから、自分の仕事は、自分がやっている仕事だと思うのはとんでもないことで、ほんとうは世の中にやらせてもらっている世の中の仕事なのである。ここに仕事の意義がある。

自分の仕事をああもしたい、こうもしたいと思うのは、その人に熱意があればこそで、まことに結構なことだが、自分の仕事は世の中の仕事であるということを忘れたら、それはとらわれた野心となり小さな自己満足となる。

仕事が伸びるか伸びないかは、世の中がきめてくれる。世の中の求めのままに、自然に自分の仕事を伸ばしてゆけばよい。

大切なことは、世の中にやらせてもらっているこの仕事を、誠実に謙虚に、そして熱心にやることである。おたがいに、自分の仕事の意義を忘れたくないものである。

ドラッカーの本

11月 28th, 2010 | Posted by 社員Y in ビジネス本 - (0 Comments)

「もしドラ」がベストセラーとなり、書店に足を運べば必ずといっていい程、ドラッカー特集を目にするようになった昨今ですが、このようなビジネス本や自己啓発本を、実際の仕事に生かすことは結構難しいと思います。

私自身もドラッカーに関しては何冊かを所有し繰り返し読んでいますが、今のところは自己啓発やモチベーション向上の書としてしか活用できていません。まぁ、それでも充分なのかもしれませんが、多くの経営者の方が、座右の書としているドラッカーの本。せっかくなら仕事に直結する活用をしたいと思っています。

「プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ成長するか」はドラッカーって何から読めばいいの?という方におすすめの一冊です。ドラッカーの過去の書籍から、現代ビジネスに生かせるものを抜粋した本書は、仕事で悩んだとき、モチベーションを向上させたいときなどに活用できると思います。

いい本というのは、読むたびに新たな発見・気づきがあるものですが、この本にはそれがあります。例えば「貢献を重視する」という章があります。本文より抜粋すると以下のようなことが書かれています。

成果をあげるためには、貢献に焦点を合わせなければならない。手元の仕事から顔をあげ、目標に目を向けなければならない。

「どのような貢献ができるか」を自問することは、自らの仕事の可能性を追求することでもある。

なすべき貢献には、いくつかの種類がある。あらゆる組織が三つの領域における成果を必要とする。すなわち、直接の成果、価値への取り組み、人材の育成の三つである。これら三つの領域すべてにおいて成果をあげなければ、組織は腐り、やがて死ぬ。

したがって、この三つの領域における貢献を、あらゆる仕事に組み込んでおかなければならない。もちろん、この三つの領域の重要度は、組織のよって、さらには、一人ひとりの人間によって大きく異なる。

ちょうど前日のブログで言語化プロジェクトが担っていくことに触れましたが、組織を形成するための根底となる個々の貢献や成果についての考え方が書かれている章で、非常に参考になります。ドラッカーをまだ手にしたことがない人に、入門の書としてもおすすめの本です。

今回は「経理以外の人のための日本一やさしくて使える会計の本」でもおなじみの、久保憂希也氏による、数字への理解を深めるための本です。

昨今はやりの数学本ではなく、あくまでビジネスに活かせる内容となっています。ポイントは以下の5つ。

●会社の数字が一瞬でつかめる。
●仕事が格段に速くなる。
●問題解決力が段違いになる。
●説得力がガラリと変わる。
●アイディアが次々と沸いてくる。

「数字力とは、数字を使って意思決定への筋道を立てる力のこと」と著者が書かれているとおり、数字力を身につければ、物事の判断を論理的に出来るだけでなく、営業においても説得力が格段に増すということが分かります。

この本をヒントに会社の数字だけではなく、日常における数字の見方や認識を変えれば、これまで感情や感覚論で何となく意思決定してきたものを、定量的に分析することができるようになり、論理的な解決策や目に見える成果を挙げることも可能になるかもしれません。

決して難しい本ではなく、誰にでもわかり易く書かれているので実行しやすいというのもポイントです。

今回はビジネス本の紹介です。社内で読みたい人がいればお貸ししますのでお気軽にお声掛けください。

『ロジカルシンキングリーディング/大石哲之』

第1章 1冊の本からは多くを学ばない
第2章 読むべき本はこうして選ぶ
第3章 「ロジカルシンキング」で本を読む
第4章 読書を確実な成果につなげる

◆個人的に肝と感じたこと

本書は「仕事で成果を出すための読書」に徹底的にこだわって書かれています。これまでビジネス書を読んでも、スキルアップに直接結びついているか今ひとつ実感できていない自分にとって非常に興味のある内容でした。

◎読書について

大事なのは「選択」と「集中」。
本は1冊全部読まずに、目的(テーマ)を絞って必要な箇所だけ読む。同じテーマの本を5~10冊程度、集中読みする。そのテーマにとっての重要ポイントは、大抵どの本にも共通して書かれているので、何冊も読むことで理解度が深まっていく。
そして大事なのは、インプットしたらすぐにアウトプット(実践)してみること。

◎本の選び方について

ここではスクリーニングの方法が紹介されています。ポイントとしては、

・図と表を見る
・奥付と著者プロフィールを見る
・構造化されているか
・翻訳本か

の4つです。特にへーと思ったのは翻訳本を選ぶということ。
個人的には翻訳本は、読みにくいイメージがあり敬遠しがちだったのですが、翻訳してまで出版するという時点で既にスクリーニングされているとのことで参考になりました。

ただ、日本人が著者でない場合、日本の事例にあてはまるかという点と、翻訳によって良し悪しが変わるという点があると思うので翻訳本はさらに別なスクリーニングが必要かと。

ネット書店で選ぶ場合、私もアマゾンを利用しますが中古価格は時価なので「1円」などの場合、極端に言えば市場では価値のない本(=読む価値のない本)という見方もできると書かれています。

確かに、良書であればそこまで価値は下がらないかもしれません。評価(レビュー)を鵜呑みにするのは危険ということも書かれています。

価格に関しては、市場の流通数によって変動しますし、どちらかというと出版年数が古い=安いというイメージを持っているので、私の場合は逆に出版年数が極端に古くなければ、掘り出し物を見つける感覚で安くても購入はします。著者も書いているとおり、最終的には自分の目的に見合う本であればということですね。

レビューに関しては、悪い評価ばかりだと気になりますが私の場合いい評価が、どこを評価しているのかだけ見るようにしています。悪いのはもう相性が悪いとか、読みにくいとか、想定していた内容と違ったとか、人それぞれの理由があると思うので仕方ありません。

それよりも、良いと感じた人の誉めポイントを探した方が選ぶときには参考になります。著者が書かれているとおり、全てが良い評価だと、それはそれで危険な感じもしますが、最終的には中身を自分の目で見て判断するしかないんですよね。

◎ロジカルシンキングで読む

いよいよこの本の本題です。
必要なところだけを読む。大切なところは熟読する。
「雲・雨・傘(うんうがさ)」に注目して読むことが大切と著者は説いています。

この「雲・雨・傘」とは、

「黒い雲が出ている」という事実。
「(ならば)雨が降るだろう」という解釈(意見)。
「じゃぁ、傘を持って行こう」という行動(アクション)。

という意味で、本を読んでいて特に陥りやすいのが最後の行動のみにフォーカスしてしまう人が多いということ。そうではなく、行動に至るまでの裏付けをしっかりと理解していないと結局行動する意図を見失い、何も出来なくなると著者は説いています。

併せて、意見に対しては一度立ち止まって自分の意見も考えることが大事だと。つまり、読書で何かを得たいなら、その目的を明確にし、かつ「雲・雨・傘」に注目しながら読み、自分はどうなのか意見をぶつけてみるということになります。

これはただ単に読み進めるよりも、効果的かもしれないと思いました。同じ章で書かれているPCDAサイクルを回して読むというのも読む→考えるというサイクルを取り入れる方法で、参考になりました。

◎読書を確実な成果につなげるために

前章までと重複する部分もありますが、ここで注目すべきはインプットとアウトプットを同時に行うということです。読みながら実行することで、行動を修正することができ、最終的に高い実践力を身につけることができるということです。

営業マンなら、今日は相手から課題を引き出すヒアリングに力を入れようと思ったとします。移動時間で関連する本を読み現場ですぐにそれを実行してみる。極端に言えばこのようなやり方です。これをすることで、読み放しではなく、実際に本で得た情報を活かしていることを体感するというものです。

読んだ内容をすぐに実践に移せるケースがあるか否かは職種によっても異なると思いますが、アウトプットを意識してインプットをするという方法は他の書籍でも紹介されていたので試してみたいと思います。

◎まとめ

この本で一番参考になり、すぐに実践しているのは「雲・雨・傘」を意識して読むです。でもこれが簡単なようで結構難しい。ついつい傘のアクション部分に目がいってしまうのと、そもそもどれがそれぞれに該当するのか見極めるのが難しいのです。

慣れもあると思いますので、しばらくは四苦八苦してでも続けてみます。そして著者は同じ本を読み返す時間があったら、他の本から情報を仕入れることに重きを置いていますが、私自身はこの本を部分的に何度も読み返しています。そのくらい、自分にとっては参考になった本でした。